今から約8年前、故郷の豊島に戻ってきたのがきっかけ
です。
もともと大阪では食品バイヤーとして生鮮品の流通に関わっていましたが、 生産者として一から食品づくりに携わりたいという思いは、ずっと以前からありました。
50歳を機に大阪から豊島に移り住み、レモンの栽培を始めました。

それは一言ではなかなか言えないけれど……。
過去にいろいろな事件があり、豊島はゴミの島だと批判された時期があり
ました。
しかし、山をはさんだ東部分には何の影響も受けない肥沃な農土が続いています。当時、ゴミの島というイメージによって耕作放棄を余儀なくされた人たちが、この島には大勢いました。
 
だからこそ商売のための普通の作物ではなく、人々に夢を与えられるようなものが作りたかった。
それがレモンだったんです。

人の口に入れられないものは与えないという方針で、有機農法に取り組んでいます。
当初は無農薬で本当に育つのか、自分でも半信半疑。肥料づくりも試行錯誤でした。
しかし、瀬戸内の気候は、レモンの一大産地である地中海の気候に似ていると言われます。
雨天が少なく、豊富な水源と肥えた土を宿す島の環境はレモンにとってこの上ないご馳走です。
開墾から3年、木に黄色いレモンの実がなった時は感無量でした。

現在、豊島には6000本ほどの苗が育ち、約2000本の木に実がなろうとして
います。 これから流通も本格化を迎えますが、あくまで レモンは島作りのための還元作物だと考えています。土や風、海や太陽……、この島にふれることによって学ぶものは多くあるはずです。
レモンの栽培・出荷を通して、より多くの人にこの島に関わって頂き、都会にはない島の良さを伝えたいと考えています。最終的には、福祉、教育、農業といった心の豊かさを育むためのモデルケース的な島になればと思います。